スポンサーサイト

 --,-- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヤロウ - Yarrow

 09,2015 12:29
RIMG0186_20150209120928238.jpg
1月末のある朝、ふんわかと雪が積もったものの、弱い光に当たるところではすでに溶け始めていました


この頃は海外の推理小説ばかり読んでいますが、推理小説といえども、その国の文化や習慣、国民性を伺い知ることができて謎解きだけではない面白さがあります。(そういえばこういうふうにして外国のデータは収集され、少しずつ少しずつ私の中に蓄積されていったんだなぁと思いました)
行ったことがない国だと新鮮だし、行ったことがある国なら追体験ができてさらに楽しいです。

レジナルド・ヒル著 『武器と女たち』〈ダルジール警視シリーズ〉(舞台はイギリス、ヨークシャー)に、 ヤロウ Yarrow(Achillea millefolium 和名セイヨウノコギリソウ)についての記述があったので、薬草に関する、私のための資料の一つとして残しておこうと思います。
(ね、精油や薬草辞典を何冊も読むより面白い情報に(場合によっては大量に)行き当たるの!)


以下は抜粋
202pより
パトリックは微笑して言った。「げんなりしないでくれよ。ありきたりのノコギリ草、アキレア・ミルフォリウムをあの地方ではノーズブリードと呼ぶんだ」
「アキレア?アキレスと同じ?」エリーはふいに創作中の物語を考えた。
「そのとおり。ノコギリ草はよく効く薬草で、魔法の力もある。もっとも、二つの区別はしばしば曖昧になっているがね。そうだ、ちょっと待って」
彼はフランス窓から家の中に入った。
  ・・・略
パトリックはさまざまな大きさと年代の本を抱えて戻ってくると、いちばん古そうな一冊をめくっていった。
「あった。ジェラードの『草本誌』、一五九七年だ。“アキレアはアキレスが彼の兵士たちの傷を治すのに使ったものと同じと考えられる”。それからグリグソンは『イングランドの植物誌』でアプレイウス・プラトニクスの『草本誌』を引用している。“隊長アキレスがこれを発見し、剣に傷ついた者たちをこれをもって癒したと伝えられる”。つまり、ホメロス時代のサヴロン(大衆的な傷薬)だな」
「アキレスはあちこち駆けずりまわって人を傷つけるのに生涯のほとんどを費やしたみたいだから、試してみる機会はたっぷりあったでしょうね」エリーは言った。「それが薬効。さっき、魔法のこともおっしゃっていたわ」
「ああ、そうだ。悪を呼ぶにもよけるにも強力な効果がある、とグリグソンは言っている。彼はハールストン・ジャクソンの『ケルト雑録』から、ノコギリ草を摘むときに唱えるゲール語の呪文の翻訳を引用している。ジャクソンがやや修正を加えた一九七一年版がここにある。読んでごらん、エリー。これは女性のためのものだ」
彼はペンギンのペイパーバックを開き、ある部分を指で押さえてエリーに渡した。
エリーはそれを読み上げた。最初はためらいがちだったが、その言葉に想像力を刺激されて、次第に力強い声になっていった。
「柔らかなノコギリ草を摘みましょう、わたしの姿がもっと優美に、唇がもっと温かく、声がもっと明るくなるように。わたしの声は日の光、私の唇はイチゴの汁のように。わたしは海にあっては島、陸にあっては丘、空にあっては月の欠けた夜の星、弱い者にとっては杖となりますように。わたしはすべての男を傷つけ、一人の男もわたしを傷つけることはない」
  ・・・略
「すごくよかったわ、エリー。パトリック、どうしてうちの庭にはノコギリ草がないの?」
「こっちでは雑草だからさ」オールダーマンはきっぱり言った。
「でも、<ノーズブリード>(私註:オールダーマン夫妻の別荘の名前)にはたくさんあるのね?」我に返ったエリーは言った。
「うん。でも、開墾されていない土地なら、どこでもたくさん生えているよ。コテッジにそういう名前がついているのは、たぶん昔、治療者が住んでいたからじゃないかな。あるいは魔女か」
「ええ、でもどうしてノーズブリードなんて呼ばれているの――その植物は?」エリーは訊いた。
「グリグソンの説では、その葉を鼻に入れると鼻血が出る。それは愛が本物かどうかを確かめる方法なんだ。“ノコギリ草よ、ノコギリ草よ、白い花を咲かせておくれ。恋人がわたしを愛しているなら、いますぐ鼻血が出る”」

384pより
フィーニーはジャムのびんから指でガチョウの脂肪のように見えるものを取り出し、ノヴェロの傷口に塗っていた。
「ミセス・ストーンレイディがわたしのために作ってくれた軟膏よ。何がはいっているかなんて訊かないで。私が薪を切っていて足を怪我したとき、これをつけたらすぐ治ったの。国民健康保険の手当てではとてもかなわない早さでね」
「ノコギリ草」エリーは言った。「それはきっとノコギリ草だわ」
ミセス・ストーンレイディは彼女に値踏みするようなまなざしををちらと向けてから、うなずいた。

437pより
薬はつんとくる胡椒のようなにおいがして、初めはちょっとしみたが、すぐに部分麻酔的な穏やかな効果があらわれた。


いいなぁ、(怪我をするのは嫌だけど)私もこの軟膏を試してみたい。
できればレシピも教えてほしいなぁ!


RIMG0194_20150209120929569.jpg
雪の結晶が見えるので、目を凝らして見てみて!

スポンサーサイト

Comment - 0

Latest Posts - 0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。